いつも見てるだけで飛んだことのない主人公。それをガブリエルに指摘される。俺が思うに裕子が妊娠したとき僕がよろこんでいたのは子どもという命を授かったからではないんじゃないかと思った。突然の裕子の妊娠、これは予定調和を壊すようなできごとで僕は咄嗟に跳べると思ったんじゃないかと思う。子どもを授かり良重との自堕落で不毛な生活から抜け出すことが僕にとっての唯一の跳べる方法だったのではないか。
でも流産するしかなかった。またもや跳べない自分に絶望する自分。いつもなにもできないちっぽけな日本人になってしまう自分。そうやって常に追いつめられる僕がこの小説のいいところだと思う。
「僕」がやたらモテるのがムカつくがww