not good but great

プログラミング、アート、映画・本の感想について書きます。

人のデザインしたパターン中から「ミュラー型の擬態」と「擬態色」について、それから「顔とは何か」について考えてみた。

学校のレポートを作成する際に、まとめたメモを掲載してみる。

課題A
人のデザインしたパターン中から、擬態、分断色、威嚇色など動物の適応色の観点から見て興味深い事例を見つけてきて、そのパターンの果たす役割について論じよ。
また適応色に基づく視覚パターンを用いて、効果的でユニークな情報伝達や隠蔽方法を提案せよ。

ミュラー型の擬態について
暴力団の方の車が、ガラスにスモーク加工が施され、黒塗りであるのはミュラー型の擬態だと言える。スモーク加工の黒塗りの車を見ることで、すぐに一般人から暴力団の方の車田ということがわかるので、一般人は失礼な行動をしないように気をつけることができる。また同業者である他の組の方が見ても、相手がカタギではないことがすぐにわかるので、問題があっても、軽率な行動は慎むことだろう。

・威嚇色について
威嚇色は相手を威嚇し、相手の攻撃を回避するときに有効だ。人のデザインしたものでは「踏切の黒と黄色の縞模様」が適例だろう。これは歩行者や車のドライバーの攻撃を回避するのではなく、踏切内への侵入を回避することに有効だ。

・適応色を用いた隠蔽方法の提案
洗車をした日に雨が降り、泥が跳ね返って汚れてしまった経験は誰にでもあると思う。それは車の色の多くが単色であり、余計に汚れが目立ってしまうことが原因だ。始めから車を黒や茶色などのまだら模様で塗れば、汚れは目立たないだろう。

課題B
「顔とは何か」「顔はどうなっているか」を考えると、顔から得る情報の重要性が見えてくる、講義で話した内容を基に各自の独自の視点を交えて論じよ。

顔には多くの情報が含まれている。授業後の課題を集計してみても、各自さまざまな回答をしていた。年齢、性別、人種、化粧をしているかどうか、日焼けをしているかどうか、ヒゲの有無、眼鏡の有無など顔だけで多くのことが判断できる。人は相手を顔で判断しても過言ではない。だから人々は朝起きるとまず顔を洗い、顔が清潔であることを周りにアピールする。無意識の中で、自分の顔を相手に見られていることを意識しているのだろう。反対に顔が見えない相手を前にした時、人はどう思うのだろうか。覆面のテロリストを考えてみる。テロリストは顔が分かると、すぐに逮捕されてしまうので、覆面は最適だ。他人に自分の情報を提供すると不都合なのだ。テロリストを実際に事件の現場などで見た人は、覆面の印象に気を取られてしまい、テロリストの人種や日焼けの具合などは到底わからない。また覆面をしていると相手がどんな人なのか、何を考えているのか、わからないので被害者の恐怖心を煽ることだろう。次に仮面舞踏会の出席者はどうだろうか。先ほどの例では、顔を隠す人と相手に、加害者と被害者の関係があったが、仮面の場合は対等な関係である。仮面をつけることで相手に自分の所属や社会的身分を隠し、会話を楽しめるという良さがある。恐怖心を煽るというよりも、相手がどんな人なのか知りたいという好奇心を煽ると言ったほうが良さそうだ。このように一口に顔を隠すと言っても、相手を怖がらせるパターンと、相手の好奇心をくすぐるパターンがあると考える。自分が相手にどうあってほしいかを見極めると、顔の隠し方、隠す場面も自ずと決まってくるだろう。今回の講義では、主に顔から何がわかるのかということを考えてきた。それを学習した後の次のステップは、顔の情報を使って、相手に何を知ってほしいのか考えることだろう。覆面と仮面の例のように、時には顔を隠すことによって、相手を怖がらせたり、楽しませたりできる。顔が提示する情報を知り、それを自由に応用できれば、相手とより良いコミュニケーションを図れるのではないかと私は信じている。


これを書いた後に、安部公房の「顔」を思い出した。途中読みで止めてしまって放置したままだ。また読んでみようかな。