not good but great

プログラミング、アート、映画・本の感想について書きます。

高倉健の人気に火をつけた映画「網走番外地」は48年前の映画だけどスリリングだった!

おもしろかった。「昭和任侠伝」では仁義が主体になって、健さんの男気に魅力があった。今回も同じ任侠だったけれど、そういう精神的なことよりもストーリーが面白かった。脱獄ものはどんなものでもハラハラドキドキするものだなあと。今となったらベタかもしれないけど、手錠のせいで二人一組で脱獄することになった高倉健演じる橘と悪党である権田。もう少しで釈放の身にある橘であったが、権田の脱獄に不幸にも付き合うことになる。

モノクロの画面に白い雪原が映える中、必死で逃げる様に手に汗握った。トロッコで逃げるところは、トロッコの後ろから撮ったアングルで、スピード感がありよかった。後ろから丹波哲郎が追いかけてくるという笑。特に緊縛したのは終盤の手錠を切ろうとするシーン。SLの車体番号を見て、丁か半か賭けるのだ。それで橘が線路中央、権田が線路脇に寝転がり、手錠の部分を線路に載せる。巨大なSLがジュゴジュゴと音を立てて迫ってくるシーンは圧巻。

シリーズものだと知っていたので、脱獄は失敗するだろうなと思っていた。橘が「おっかあさん!」と叫んだ後ろで、権田も「おっかさん・・・」と生死をさまよいながらつぶやく。それを聞いた橘は権田を助ける。やっぱり健さんだなあ・・・。

ラスト、椿が権田から事の真相を聞く。そうすると椿は笑顔になり、やっぱり橘は橘だと見直す。椿は橘に、母は大丈夫だと伝えると、初めて笑顔を見せる。高倉健の映画にしてはめずらしく、最後みな笑顔で終わるという映画だったのが印象的。