モノクロの画面に白い雪原が映える中、必死で逃げる様に手に汗握った。トロッコで逃げるところは、トロッコの後ろから撮ったアングルで、スピード感がありよかった。後ろから丹波哲郎が追いかけてくるという笑。特に緊縛したのは終盤の手錠を切ろうとするシーン。SLの車体番号を見て、丁か半か賭けるのだ。それで橘が線路中央、権田が線路脇に寝転がり、手錠の部分を線路に載せる。巨大なSLがジュゴジュゴと音を立てて迫ってくるシーンは圧巻。
シリーズものだと知っていたので、脱獄は失敗するだろうなと思っていた。橘が「おっかあさん!」と叫んだ後ろで、権田も「おっかさん・・・」と生死をさまよいながらつぶやく。それを聞いた橘は権田を助ける。やっぱり健さんだなあ・・・。
ラスト、椿が権田から事の真相を聞く。そうすると椿は笑顔になり、やっぱり橘は橘だと見直す。椿は橘に、母は大丈夫だと伝えると、初めて笑顔を見せる。高倉健の映画にしてはめずらしく、最後みな笑顔で終わるという映画だったのが印象的。