not good but great

プログラミング、アート、映画・本の感想について書きます。

高倉健の「海へ-See you-」で、いしだあゆみがバツ2という設定が成り立つのは、夫が外国人だからだと思う

かつて腕を振るっていたドライバー本間英次(高倉健)が、映画の中で人気俳優の吉井と一緒にパリダカを走る話。飲料メーカーがレースのスポンサーになり、吉井がレースを完走することによって、商品の告知をするという試み。吉井は素人だから、レースチームメンバーから反感を買ったり、わがままも多かったので、見ていると不快な気持ちになり、職人気質のドライバー、エンジニアがボコボコにすればいいのにと思った。

加えて人気アイドルの夕子(桜田淳子)と吉井は付き合っており、ノリで「俺のことが好きなら、紅白を蹴ってパリダカまで付いてこいよ」と吉井は彼女に言う。夕子は若さゆえか何かで、なんとパリまで来てレースのサポートトラックに侵入してレースに乗り込むw。見ている側としては、うっとおしくてたまらない。

本間の話に移すと、本間はケイ(いしだあゆみ)の元夫。このケイが曲者でバツ2で今は闘牛士と結婚している。ケイの2番目の夫が本間で、最初の夫はパリダカでトラブルを起こした車を回収する外人ドライバーだ。しかもこのドライバーと本間が仲がいいという設定。これは外人だからなせる設定だと思う。全員日本人だったら、ケイがただ遊び人に見えてしまうし・・・。これでも十分に遊んでいるように見えるか。一応育ちはヨーロッパなので日本人離れしているという役柄がある。

吉井と夕子の関係をバカらしく本間は思える一方で、本間とケイとの関係も似たようなものだった。ケイは本間に会いたいがためにレースに参加したという。そしてまたこれが複雑で、本間と夕子が同じ北海道出身だったり、仕事一筋で軟派な吉井とは違う本間に夕子が惹かれていく。吉井も軟派な印象だったが、途中サポートスタッフにボコボコにされたり、スタッフが吉井を憎んでいるだろうところを、吉井が事故が起こったときに助けたり、他の車が壊れたときは自分の車の部品を差し出して、自らチームのためにリタイアを選んだりするのを見て、吉井はそのストイックな姿勢に感化される。だからゴールしたとき、夕子とのスキャンダルの取材に取り囲まれて、早くスタッフに会いたいという顔をしていたのには納得がいった。でも吉井をちょっと疎外しているように見えるスタッフのカットはひどくもありおもしろくもあった。

ケイの車が最後に事故を起こして焼死というのは無理があったのではと思う。まず死体が見えないし、砂漠の奥に逃げているのかと思って期待した。それなのに全然現れないから、結局最後に焼死という報告をゴール時にスタッフがするまでわからなかった。砂漠に残った本間は最初の夫とケイと今の夫の墓をつくっている。その絵が何とも不思議な光景だった。