not good but great

プログラミング、アート、映画・本の感想について書きます。

【第14~26話】攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEXを見た感想

第19話 偽装網に抱かれて

神崎元首相の娘が誘拐される。犯行は過去に目隠しイワンという集団拉致事件を起こしたグループのものだった。神崎は集団拉致事件を否定している人なので、犯行グループは自分で自分の首を締めることになる。何かの偽装工作かと疑われた。

主犯である女スパイ、クルツコワは、誘拐の対象者リストに神崎の娘がいることを知らずに実は犯行をしていた。クルツコワは仲間にはめられ、最後には大使館にも保護されない運命だった。

あまりおもしろくない回だった。

第20話 消された薬

笑い男に関する回。たまにあるからびっくりする。

トグサは授産施設笑い男笑い男に関係する男が残した落書きから、笑い男の狙いを推理する。落書きはサリンジャーの「キャッチャーインザライ」の引用であった。笑い男は凄腕のハッカーであるのに、テレビに出たりと、アナログな部分も見られる。笑い男の狙いは、電子情報ではないく、紙媒体での情報にあるのではないかとトグサは推理する。

トグサは電脳硬化症の非公認薬、村井ワクチンの接種者リストが盗まれていたことを突き止める。当時、電脳硬化症の治療は、マイクロマシンを用いるものが主流だった。効果はあるが、作用する理由が分からない村井ワクチンはマイクロマシン治療の普及に邪魔なため非公認とされた。しかし村井博士の死後、密かに村井ワクチンの実験が再開されていた。接種者リストには有名人、政治家の名前に加えて、村井ワクチンに反対していたリーダーである今来栖の名前があった。トグサは村井ワクチンの弁護をしている団体「ひまわりの会」の事務所に行き、そのことを知る。すると武装集団が事務所を襲撃し、トグサは負傷してしまった。


DVDの特典にある制作者のインタービュー。普段は見ないが今回は3DCGクリエイターの方の話だったので見た。タチコマや人がたくさん出てくるモブ(群衆)のシーンなどではCGが使われているらしい。背景と3Dを合成して作っているみたい。てっきりパラパラマンガの要領でアニメは作られているのだと思っていた。

第21話 置き去りの軌跡

トグサは病院に運ばれ、すぐに草薙によって記憶を共有される。トグサを撃ったのは、厚生省直属の麻薬取締強制介入班(通称:マトリ)だった。仕返しをしたいバトーを落ち着かせ、公安9課は今来栖の確保を優先させる。

今来栖の元には笑い男がいた。笑い男は今来栖がマイクロマシンではなく村井ワクチンを推薦しなかったために、多くの患者が効果のない薬にお金を出して死んでいったことを責める。今来栖は正義感丸出しの笑い男がなぜ過去に企業を襲い、多額の金を入手したのかと問うと、それは笑い男ではなく別の人物の犯行だと言う。今回、今来栖が正直に真相を話せば、その件についての解決の証拠にもなるという・・・。このあたりのことはよくわからない。

マトリのパワースーツに苦戦するバトーと草薙。草薙は今来栖をバトーに任せて、一人パワースーツと戦う。ボコボコにされていたので、さすがの草薙も死んだと思ったけど生きていた。「サイトオーーーそいつをよこせーー」と言って強力な銃を使ってやっつけるときの顔は狂気に満ちていた。

バトーは今来栖を救出しようとした時に目を離してしまった。今来栖は笑い男と話しており、バトーは何も知らずに近づく、すると何者かが今来栖を銃で狙撃して今来栖は死んだ。笑い男は村井ワクチンの接種者リストをバトーに渡して、消えた。バトーの目を盗んだ?のでバトーは後を追うことはできなかった。

第22話 疑獄

荒巻の兄が難民地区で麻薬売買の疑いで逮捕された。真相を知るために荒巻は難民地区に向かう。そこで兄を知る二人の人物に会う。兄の罪は警察がつくったねつ造であることを知り、その証拠も渡される。安心した荒巻はそこを立ち去ろうとしたが、その二人はマトリの残党だった。麻薬を撃たれた荒巻は気を失う。荒巻は麻薬の現行犯で逮捕されそうになるも、バトーに助けられる。

草薙は義体を入れ替えるための治療をしていた。その医師もマトリの残党で、危うく草薙もやられるところだったが、笑い男が登場する。笑い男は自分の記憶を草薙に預け、草薙を助けた。

笑い男についての件が急速に進みそうな予感がする回だった。

第23話 善悪の彼岸

セラノ社の瀬良野社長は6年前の企業テロから軟禁状態だった。そこへ笑い男が出現し、前回の誘拐と同じ手口で瀬良野を外へ出す。それはインターセプターによって他人の視覚を操作することだった。

6年前、マイクロマシンの制作を進める瀬良野に対して、村井ワクチンの効果を知っておきながら制作をするのはやめろと言う。村井ワクチンが気に入らない連中によって、マイクロマシンの認可が早く決まったりしていてことは、ただ利用されているだけだと。瀬良野の誘拐の身代金要求というのも、笑い男がしたわけではなく、笑い男が起こした騒動をうまく利用して、悪意を持った連中が事を進めているだけだった。このへんは難しい・・・。

最後、カフェで瀬良野と話していたのは笑い男ではなく、変装した草薙だった。草薙は記憶を取り込んだので話を進めることが出来たのだ。

第24話 孤城落日

公安9課が瀬良野社長誘拐に関与しているとの報道がされた。草薙が笑い男に変装したことは漏れており、気に食わないものがリークしたと見られる。これで公安9課の立場が危うくなり、公安9課解散への方向へ進む。荒巻は薬島幹事長に関わる重大な極秘文書提示して、首相を説得しようと思ったが無駄だった。荒巻は9課のメンバーに生き延びろという命令を出す。荒巻とトグサはその後、捕まってしまう。

9課のアジト?オフィス?には武装集団がやってきて、9課を襲う。草薙らは偽装工作で自決と見せかけて、逃走の時間稼ぎを図った。それぞれが散り、9課は解散した。


草薙の腕時計の話が出てきた。この時たまたま腕時計をセーフハウスに忘れていた。バトーによるとその時計をつけるために草薙は細い腕をした女性の義体を使っているという。誰からか贈られたものだったのだろうか。

第25話 硝煙弾雨

イシカワらは次々と拘束され、捕まっていないのはバトーと草薙だけになった。バトーはセーフハウスに行く。この目的は草薙の腕時計を取りにいったのだと思う。義体を変え、記憶を変えるバトーと草薙のようなものにとって自分を自分たらしめるのは外部記憶装置しかない。草薙にとってそれは腕時計だった。

バトーはセーフハウスに追っ手として来たパワースーツに苦しめられる。瀕死状態になったバトーを助けたのはタチコマたちだった。ラボ送りになったタチコマは廃棄されたが、3体だけ生き残っていた。タチコマは武器も持たず戦ったために、パワースーツを倒すために苦戦を強いられる。バトーを助けるために最終的に自爆してパワースーツをやっつける。そこへ草薙と思われる少女がやってきてバトーを助ける。草薙は実はもう一つセーフハウスを持っており、そこに避難していた。その少女は草薙がリモートで操作していた義体だった。

最後、草薙とバトーが飛行機に乗るときに、草薙が撃たれるがあれはフェイクに見えた。腕時計をしていないし、バトーが草薙のことを素子というのも気持ちが悪かったからだ。

第26話 公安9課、再び

トグサは職を辞され、公安9課の者と連絡を取れず無職生活を送っていた。薬島を捜査する検察が堂々とテレビに出ているのを見ると、公安9課の存在がなかったことにされていて気に食わないトグサ。トグサはいてもたってもいられず、薬島に近づこうとすると、バトーに止められる。バトーに連れられてあるところに行くと、9課のメンバーがそろっていた。皆が捕まったのは荒巻の作戦だった。9課を犠牲にして、検察の目を薬島に向けさせるためだった。草薙はどうなったかというと生きていた。前回バトーが草薙が撃たれて素子と叫んでいたのは演技ではなかったようだ。撃たれた草薙はリモートコントロール状態だった。

草薙は紙媒体が収容されている図書館に向かった。そこにはアオイという今まで笑い男とされていたものがいた。

アオイ「オリジナルの不在が、オリジナル無きコピーを作り出してしまうなんてね。貴方だったらあの現象をなんて名付けますか?」
草薙「STAND ALONE COMPLEX.」
アオイ「イエスSTAND ALONE COMPLEX.元来、今の社会システムにはそういった現象を引き起こす装置が、始めから内包されているんだ。僕にはそれが絶望の始まりに感じられてならないけど、貴方はどう?」
草薙「さあ、なんとも言えないわね。だけど私は情報の並列化の果てに、個を取り戻す為の一つの可能性を見つけたわ。」
アオイ「因みにその答えは?」
草薙「好奇心、多分ね。」

STAND ALONE COMPLEXというのは現実の世界でも言えるのだろうか。笑い男のようなオリジナルがいなくて、コピーが独り立ちしてしまうような。情報の伝達が進んで、みんな持っている知識が似通うことがある。その情報の発端、オリジナル発信者が誰かというのは分からないことが多い。それを自分の意見として語る人も多い。アニメの世界のこと考えるのはばかばかしいのかもしれないが、例えば僕が映画を見た後よくwikipediaを見る。そして同じ映画を見た友だちとその作品について話すと、wikiの情報がよく出てくる。wikiの情報を適当に編集して映画論を語っても、それwikiで見たろ?と言えば大体アタリだ。wikiに乗っているような情報や意見は誰が最初に考えたのかわからない。でもそれを読んだ人は、自分の意見の材料としてそれを記憶する。wikiを使って自分の意見を構築することができるかもしれないけど、それをしている人が好奇心を持っている人なのかなあと思った。



荒巻はアオイを公安9課にスカウトするも、フラれてしまう。

これで話は終わり。終わってしまってさみしい。他のシリーズも見てみよう。