- 作者: 河合隼雄
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2013/05/27
- メディア: 文庫
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こころの最終講義を読んだ。
物語とは
物語について書かれたところが面白かった。筆者はコップを語ることを例にしていた。科学的に語る
語り方には二つ。一つは科学的に語る。コップの直径は10cmで〜という風に語る。正確に言えば言うほど、正確に伝わる。
物語として語る
二つ目は物語として語る。例えばこのコップは筆者の教え子が作ったという。すると筆者と教え子の関係、またそこにはいない教え子とはどんな人だろうかと聞いた人が考える。物語はつなぐ力だそうだ。
ここにコップがあるということは私の魂との関係で一体どうなっているのだ
皆さんの心がすごく動き始める 。それが物語なんです 。だから物語というものはつなぐ力をもっている 。私とコップをつなぎ 、私と皆さんをつなぎ 、皆さんの見ておられない私の教え子ともつなぐ。
日本の古典
われわれ現代人ほど自然科学的な考え方でぱっと物事を割り切って 、切断して考える考え方をしていませんからね日本の古典は自然科学的な考え方で作られていないと筆者は述べる。「とりかへばや物語」「源氏物語」を紹介していた。より物語の色が濃いそうなので読んでみたいと思った。