not good but great

プログラミング、アート、映画・本の感想について書きます。

山田洋次監督、倍賞千恵子主演「故郷」を見た感想


広島県安芸郡倉橋町で働く、船乗りの話。船乗りと言っても、魚を獲るわけではなく、工事で排出された石を運ぶ仕事だ。広島に石を取りに行き、倉橋島の海に捨てるというもの。

時代の流れで、大きな船で大量に石を運ぶのが主流となり、小さな石船ではやっていけなくなった石崎夫妻。船を捨てて、尾道の造船所で働くために島を出る決心をする。生まれ故郷、船長と妻が機関士という築き上げたものを捨てなければならないという姿を描いている。船長の石崎が「大きなもの(時代の流れ)とは何なのかね」と、最後の石船の仕事を終わらせ、帰途につく船の上で言うのが良かった。