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プログラミング、アート、映画・本の感想について書きます。

寺島しのぶ・大森南明出演、映画「ヴァイブレータ」を見た感想と粗筋(ネタバレあり)

粗筋

食べたものを吐くという食べ吐きの症状がある女性ライター・レイ(寺島しのぶ)は、コンビニで酒を買っていた。そして偶然、店に入ってきたトラック運転手である岡部(大森南明)に惹かれてしまう。レイはそのままトラックに乗り、岡部についていく。人の肌に触れたいがために勢いでついてきたレイを優しく迎える岡部。レイはトラックに道連れしてもらう。旅を続ける中で二人は恋に落ちていく・・・。

感想

最初はレイは面倒くさいメンヘラ女としか思えなくて、それを受け入れる岡部は体目的だろと思っていた。それは終盤まで続いたのだけれど、最後岡部がレイにトラックを運転させるところで、岡部が彼女のことをちゃんと思っていると感じた。レイが家で男が待っているとウソをつき、レイが結婚子持ち、ストーカー被害もあると言っていた岡部のウソをその前に見破るシーンがある。そこで岡部がなんだかんだちゃんと結婚もしていて、とかっこつけていたことが終わって、岡部が自然体でいられるようになったのかなと思った。

帰りは無言で帰る。以前僕はヒッチハイクをしてトラックに乗せてもらったことがある。最初はドライバーの方としゃべっていたが、途中沈黙の時間があった。そういうときは車の振動とかエンジンの音がずっと響いてくることを思い出した。題名にもあるように「ヴァイブレータ」というのはもちろんの肌に触れ合ったときに感じる心臓の鼓動というのもあるだろうけど、トラックのエンジンの振動っていうのもあると思った。それをちゃんと感じられるようになったことが二人が通じ合ったことを表しているのではないだろうか。


トラックは最初のコンビニに戻ってくる。このシーンがとても名残惜しい感じが伝わってくる。そしてさよならとも言わずに、結構あっさり岡部はトラックを出す。現実の別れなんてこういうのが多いものなんだから、リアルに感じた。そっからレイがもう一度店内に入って、白ワインとジンを買う。レジに持っていって会計をしているときに、レイの顔がうつむいたりしてるのだけれど、あれはこの旅のことを思い出しているのだろうなあと思った。すごい大きなことをやった後なんかは達成感が表情に出るというのは現実ではあまりないと自分は思っているので、このシーンもとてもリアリティがあると感じた。

あたしは自分が、
いいものになった気がした。

トラックから下ろされたときのレイの心の声。

とっても良い映画を見たと思いました。