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プログラミング、アート、映画・本の感想について書きます。

高野秀行「ワセダ三畳青春記」

辺境ライターの高野秀行さんの「ワセダ三畳青春記」を読んだ。高野さんが大学生の時から33歳まで住んでいた野々村荘での生活が書かれていて大変面白かった。自伝的小説と高野さんは言っていたけど、大半はノンフィクションだろう。小説のような奇妙な話が満載である。狭い、汚い、変な人がいっぱいという三畳の部屋。とても魅力的だ。

ワセダと高野馬場あたりの話とコンゴのような秘境を行き来していた高野さん。国外では辺境、国内ではワセダ周辺しかうろつかないので、外界と遮断されているような生活を送っているなあと感じた。また流行やトレンドにも無関心な人なので、具体的な年代や都市名が出てこない小説の主人公のように見えた。