not good but great

プログラミング、アート、映画・本の感想について書きます。

今村昌平監督、緒形拳主演「楢山節考」を見た感想

学生の時から見ようと思って、なかなか見れていなかった「楢山節考」を見た。

この映画はこれでもかというくらい食事のシーンが多い。それは生きるということが食べるということと言わんばかりだ。大人が子どもを叱るときの文句も「飯食うな」というのが印象的。食べ物を盗んだものは生き埋めにされるような厳しい環境の中で人々は生きているのだけれど、それに反して老婆は雄山に行って死にたいと言う。歯が28本も揃っている老婆は健康そのもの。長くまで生きることが卑しいのか、老婆は自ら歯を岩に当てて、折る。生きたいという感情が年をとるにつれて、先祖が辿ってきたように雄山で死にたいという感情に変わっていったのが面白かった。

これだけ言うと、シリアスな映画にも見えるが、夜這いの選考に漏れた利助など面白い描写もあるので楽しめたw