not good but great

プログラミング、アート、映画・本の感想について書きます。

高倉健、勝新太郎出演の「無宿」は、二人が少年のようになっていくところが良い

高倉健勝新太郎の共演作。勝新太郎の映画は初めてで、もっと乱暴な役柄なのかと思ったら、意外にもコミカルで憎めないという感じだった。顔つきがまさしく熊で、画面映えしていた。高倉健勝新太郎を殴って、顔が血まみれになるシーンでは、顔のアップに迫力があった。

海辺に住んで海底に眠ると言われる宝を探すところでは、3人だけで世界が流れている雰囲気が出ていてよかった。人を殺してた高倉健にも、笑顔が見られ、勝新太郎との仲が深まっていく様子がわかる。女のサキエは海を見たいと言って海に来たものの、宝探しの重労働。そんなストレスからか、それとも海が綺麗だったからか、我慢できなくなって全裸になり、入江のようなところに飛び込む。泳ぎ方もヘタクソで脚も着く深さなのにバタバタしているところが少女のようで良かった。サキエが宝が見つかるよりも、こんな毎日が続く方が良いと言って、勝新太郎は否定してたけど、3人ともそれは思っていたように思う。

おっさん2人と女という組み合わせで、世間の端の方で暮らす3人。彼らが少年少女になるところに良かった。


ものすごい細かいところだが、高倉健がタバコを間違えて逆に吸うシーンがあった。これは彼が出演したテレビドラマ「あにき」でもあったなあ。