森鴎外「ウィタ・セクスアリス」
星4.0
森鴎外の自伝的な小説。主にテーマは性欲の歴史。童貞だった幼少期から西洋留学までの20代前半で起こった性にまつわるエピソードを小説形式で書いている。物語の舞台は100年ほど前の日本だけど人間については現代とそんなに変わらない。やりまくっているチャラい奴もいれば女性に縁がない陰湿な者もいる。森鴎外は本ばかり読んでいる陰湿な部類に属していて童貞を貫いていたけどそこまで性欲は高くない。至って冷静でむしろ近づく女性から自ら遠ざかっていく節もあり面白かった。当時の東京では遊郭がかなり一般的な遊びでたびたび友人に誘われて遊びに出掛けていたが肝心なところで途中帰宅するというイキリを見せたりしてしていた。現代でもこういう行動をとる人は普通にいると思うので時代が違っていても行動が同じというのが面白い。この本で一番笑ったのは童貞を卒業するシーンである。結局森鴎外は遊郭のテク抜群のババアにあれよあれよと抜かれてしまい卒業してしまう。森鴎外はそれを後悔しているわけでもなく「ババアのテクがうますぎて仕方がなかったんだ」とクールぶっていて面白かった。その後1回、遊郭で遊んでしまうことがあったが西洋に留学するまではちゃんとした女性と交際することもなかったそうだ。日本に帰国後は結婚、離婚を経験し子ども授かっている。本書にはあまり書かれていないがドイツ留学時のことも書かれている。なぜか知らんが思いの外、同じように留学していた女性から森鴎外がモテモテなのである。それも特に美人から。このへんは話を盛っている可能性もあるが森鴎外は「あのときはモテてたけどそれはそれで大変だったんだわw」という感じでキモかった笑。森鴎外の著名な作品はドイツ留学時に書かれていたこともあり、このモテモテ期に覚醒したっぽい。こういう背景を知ったので他の作品も読んでみたくなった。