not good but great

プログラミング、アート、映画・本の感想について書きます。

「鉄道員」は高倉健が下を向いて、帽子のつばで目が見えなくなるアングルの良さが際立っている!

北海道の道央にある幌舞線で働く鉄道員にスポットを当てた映画。

前日に「遥かなる山の呼び声」を見ていたこともあって、高倉健がおじいちゃんになっていて、ちょっとショックだった。でも吉岡秀隆がまた出演していて、「男はつらいよ」「北の国から」を通じて大き成長した彼が、また高倉健と共演しているというのが興味深かった。特に幌舞線が配線になることを電話で知るシーンは、両者ともに役者だなあと思った。高倉健が下を向いて、帽子のつばで目が見えなくなるアングルっていうのは、どの映画でもよくあるなあと気づいた。口やそのまわりの皺一つ一つで演技をしている。

駅舎に女の子が順番に3人遊びに来る。それは赤ん坊のときに死んでしまった雪子を表しているのはすぐにわかったのだが、まさか実在はしない三人姉妹だったことにはびっくりした。変にミステリーにしなくても、ただ似ているだけでもよかったのでは?それとこんなことを言うと怒られるかもしれないけど、真ん中の娘が来た時の一連の会話って、見方を変えれば、変に見えてくると思った。現代にもし本当にあったら、実験に発展するか、女の子に通報されているだろう。

志村けんが出てきたのも、コミカルさが増してしまって映画の雰囲気が悪くなるので、やめたほうがいい。もう一つ、本作には回想シーンがたくさんあるが、それらがモノクロ調のようなフィルターがかかっているのは余計だと思った。


鼻歌で歌われていたのは「テネシーワルツ」という曲だそう。これは高倉健の奥さんである故江利チエミさんの代表曲でもある。それを知ると、高倉健の中で現実と映画が重なってくる。