not good but great

プログラミング、アート、映画・本の感想について書きます。

芥川龍之介「河童」「杜子春」

Amazon Audibleが月1500円で聞き放題になっていたので試してみた。意外と純文学作品も聞くことができたので芥川龍之介の短編を聞いてみた。

主人公がカッパの世界に迷い込む話。河童は人間と同じような暮らしをしており「こんなやつ人間にもおるわ」みたいな河童がたくさん出てくる。河童を通して人間世界を皮肉っているようで面白い。河童のほうが清潔」といった、河童のほうが人間より優れているという設定がいっそう皮肉の味を出している。

河童は出産の際に夫が産道に向かって叫んで「本当にこの世の中に生まれてきて良いのか」と胎児に聞く習慣があるという話が面白かった。

とても短い話。オーディブルなら30分くらい聞けてしまう。主人公の名前が杜子春。貧乏だった杜子春はある日あらわれた老人のおかげで大金を得る。豪遊するもまた一文なしに。また老人が現れて金持ちになるも、人間の薄情さに飽きる。老人は実は仙人で杜子春は弟子入りを申し出る。

教訓めいた昔話のような話だった。ストレートに正直に生きようと思いました。